宇佐美隆さんの最終意見陳述全文

2011年11月10日

 11月8日(火)午後1時半から東京地方裁判所において、ストーカー規制法違反容疑で起訴された宇佐美隆氏(43)の第10回公判が行われました。

 

 第10回公判の詳細はこちら。

 

 ここでは、宇佐美氏の最終意見陳述の全文を掲載します。

 

 なお、宇佐美氏の元婚約者であり、ストーカー被害を訴えた女性の名前は、原文では実名表記となっていますが、文中では「Aさん」に変えています。

 

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 私はAさんのことを本当に心配して探していました。私たちは、入籍はまだでしたが、結婚式もしてましたし、その後のお互いの経過から、心は既に一緒になっていました。

 

 しかし、そのような大事な片割れが結婚の挨拶に親元へ一緒に行ったまま、その日に消えてしまいました。もし私たちが、自然な流れで仲が悪くなっていたなら、ある日、連絡が取れなくなっても、それほど深刻に気を留めることもなかったでしょう。しかし、そうではなかったのです。結婚の報告を兼ねて挨拶をしようとした日にいなくなったのです。

 

 私は、このように相手が消えた体験は2度目でした。過去数十年も続いてきた典型的な統一教会信者への強制改宗の為の拉致監禁だったのです。教会への悪い風評を利用して、親の子供に対する愛情を逆手に利用して、あたかも信者になった息子娘たちが犯罪行為を行っているかの妄想や錯覚をさせ、恐怖感と不安を抱かせて、それを成長させ、最後に拉致監禁へと向かわせる事を良く知っていました。また強制説得を企画する人たちの動機が、親子の問題を真に解決するのではなく、ただ強制改宗して多額な報酬を得ることを目的としており、そのためには手段を選ばず人権をも蹂躙する事も知っていました。そして彼らが、そのシステムを永続的に維持する為に、常に風評を作り、流し、固め上げてきた事実を目の当たりにしてきました。

 

 だから、私は、親の不安に付け込む似非偽善のたかりを、許せなかったし、素朴に信じてきた信仰を、無理やり脱線させ、PTSDをわずらうほどの、心を傷つけられた人々を見たとき、強制改宗を行う、心無い者達を絶対許せない気持ちになりました。

 

 本来であれば、親子間での真摯な話し合いで十分心を通じ合わせることができるのに、息子、娘を取り戻すのには拉致して隔離し説得するしかないと言い切っているのです。これらの拉致監禁の過去を知れば知るほど、二次的被害者でもある私は反対派に対するひどいやり方に怒りを感じ、私たちに起こった苦難の真実を突き止めたいと思いました。そしてAさんの意思が、はっきり判るまではあきらめないことを決意しました。

 

 また、これほどの執拗に繰り返される理由は我々にも原因があり、本気で助けに行かないから、馬鹿にされていたのではないかと考えたからです。

 

 現在の立場に関係なく、私と同じ環境におかれたら皆さんは、どうしますか? また北朝鮮に拉致された家族を持つ人たちに無条件にあきらめなさいと言えますか?

 

 仮に、もし拉致されて、北朝鮮に連れて行かれた、家族や婚約者から「私は幸せにやってます。心配しないで、私のことは忘れて下さい。探さないで下さい」と手紙が来たら、心からそれをメッセージとして受け取れますか? 信じる事ができますか? 愛する家族が行方不明になったらありとあらゆる手段を講じて探すのが万人の心ではないでしょうか?

 

 もしAさんが、私に対して、何の気持ちもなく、むしろ私に探されることが嫌だと思っていたのであれば、なぜ、もっと早く、直接、私に教えてくれなかったのでしょうか? 私のメールアドレスや住所、電話番号は以前と同じです。私はAさんがいつでも連絡が取れるようにしていました。なのに、なぜ、Aさんは、自分の意思や気持ちを、電話やメールで、はっきりと、私に伝えなかったのでしょうか?

 

 また、Aさんが、私に、そのことをはっきりと伝えてくれていれば、私は、理解できましたし、わざわざGPSを使ってまで、Aさんを探す必要もありませんでした。GPS付携帯電話は、もしものときに、犯罪を未然に防いだり、迷子の子供を捜すことのできる普通の道具なのです。背景と目的を見て判断して欲しいと思います。

 

 携帯を電車の中で使えば、いやな顔されるか、注意され怒られます。しかし、誰かが倒れ意識不明だったり、喧嘩が起こっているのを見て、何とかしたい思いから電話で助けを求める人を見て、ルールだから車内で電話をするなと文句を言う人はいないと思います。私は傷ついているかもしれないAさんを少しでも早く解放してあげたかったのです。本当に必要なとき使用できないとしたら、何の役に立つテクノロジーになるのでしょうか? それを使わなかったことでAさんの被害が大きくなるかもしれません。またそうなれば、どれだけ悔しいでしょうか。

 

 私が、公訴事実1の車を見る行為が、どうして、Aさんに対する恋愛感情を充足させることを目的とした待ち伏せ行為とされるのか、全く理解できません。中に誰が乗っているかも分からないし、Aさんの姿も見ていないのに、また仮に、Aさんを発見したところで、そんなことでいったい何が充足されるのでしょうか? これは、公訴事実2から4の件でも同様に言えることです。

 

 公訴事実5のときも、私が、わざわざ宮村さんや支援者が一緒にいるサウナまで行って、Aさんを見ることで、なぜ、恋愛感情の充足目的があったとされなければならないのでしょうか? また、受付付近で、Aさんに話しかけたときも、私は、Aさんに復縁を迫ったり、結婚しようといった言葉は一切言ってません。これでどうやって、恋愛感情が充足されるのでしょうか?

 

 私は今回このように、不当な言いがかりと、ぞんざいな扱いを受けたことに、憤りを感じています。しかしながらAさんに対しては、気の毒だと思っています。それは周りが作り仕立てたAさんであるからです。Aさんは、本当は心優しい人でしたが、今は、恐ろしい人になってしまいました。

 

 Aさんが社会復帰できず未だに実家にも戻っていないのは、Aさん自身で招いたことではなく、周りによって固められた事実で、不幸な人生を他人のせいにすることで、逃れることしかできない辛い状況であり、今のAさんが、心のバランスをかろうじて保つために、なんとか生きる為の仕方のない精神状態なのだと思います。

 

 今回、私が起こした一連の行動は、今まで何度も申し上げたとおり、Aさんから、直接、話を聞いて、本心を確認したいという理由から出たもので、私自身の自己中心的な恋愛感情などを満たすために行ったことではありません。

 

 ただ、結果として、Aさんが、強制改宗により、どこかの時点で意識と立場が変わり、私の行動で不安を感じたりしたのであれば、その点は気の毒なことをしたと思いますが、私は、Aさんが、私と幸せな家庭を築きたいと言った事をはっきり覚えており、その一点を信じ続けてきた結果であったということだけは理解して欲しいです。

 

 Aさんは、十分対話することが可能であったのに、争うことしか解決の道がないと仕向けられました。拉致監禁、強制改宗を行いながら、拉致監禁は存在しないと主張する人間に、破壊され作り変えられてしまったことが、本当に残念でなりません。

 

 Aさんが持っていた誠実さや優しさなどの、人として大切なものを捨てさせてまでして、いったい何が残るのでしょうか? 今本当に幸せなのでしょうか? 私が今後Aさんと関わりを持つことはありませんが、Aさんには、目を覚まし自我を取り戻し、一日も早く自立して、自然で前向きに人生を歩んで欲しいと願うばかりです。そして早くご両親と一つの家族に戻って幸せになって欲しいと思います。

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