「週刊ポスト」名誉棄損訴訟、証人尋問行われる

2012年9月7日

 9月5日(水)午後1時半から東京・霞ヶ関の東京地方裁判所において、当法人が「週刊ポスト」の発行元・小学館を相手取って起こした名誉棄損訴訟の証人尋問が行われました。

 

 2010年に発売された「週刊ポスト」(6月4日号)には、「〈衝撃リポート〉北海道大学教授らの徹底調査で判明した戦慄の真実」「韓国農民にあてがわれた統一教会・合同結婚式 日本人妻の『SEX地獄』」という見出しの記事が掲載されましたが、これは、当法人および韓国に嫁いだ日本人女性信者らの結婚生活に対する侮辱であるとともに、信者の名誉を著しく棄損するものであることから、当法人は「週刊ポスト」に対して謝罪と記事の訂正を繰り返し求めてきました。しかし、誠意ある回答を得ることができなかったため、2010年11月に提訴に踏み切りました

 

 これまで書面での審理が複数回にわたって行われてきましたが、今回、被告側の証人申請により、『統一教会-日本宣教の戦略と韓日祝福』(北海道大学出版会)の共著者である櫻井義秀・北海道大学教授と、記事を書いた「週刊ポスト」の記者1名が出廷しました。

 

 櫻井教授に対して原告である当法人代理人弁護士から行われた反対尋問では、櫻井教授が具体的事実の裏付けもないまま、当法人の名誉を毀損するコメントを記事に寄せていた事実が明らかとなりました。

 

 本件記事には、「韓国の農村部は長らく、深刻な嫁不足に悩んでいる。その対策として送り込まれたのが、合同結婚式に参加した日本人妻なのです」との櫻井教授のコメントが掲載されています。しかし、当法人が「対策として送り込」んだことの根拠を聞かれた櫻井教授は、農村部に嫁いだ信者女性が多いので、結果的に見て、対策として送り込んだものと思ったとの趣旨を述べ、上記コメントは単なる推測でしかなかった事実を明らかにしました。

 

 また、櫻井教授が取材した者の中で、「貧困とSEX地獄で苦しんでいる人」がいたかについて聞かれると、話を聞いたのは大半が生活が安定している人で、該当者はいなかったことも証言しました。

 

 次に、「週刊ポスト」記者に対する反対尋問が行われました。

 

 記者は、日本人妻7000人の多くが「貧しい農村で暮らしている」との記載の根拠について聞かれると、7000人中4000人が地方にいると、櫻井・中西両名に対する取材で聞いたからだと答えました。しかし、「地方」とは「農村」なのかと聞かれると、先生方が「農村」だと言ったのではなく、「地方」とは「農村」だと思って「農村」と書いた事実を証言しました。

 

 問題の記事の中で3人の女性信者に関する話を農村に居住する「Aさん」一人の体験として集約した事実は既に書面審理の段階で明らかとなっていましたが、反対尋問で、そのうちの一人が農村ではない都市部(仁川)に居住していることや、無職とされた「Aさん」の夫が無職ではないことについてはいずれも知らなかったと証言し、実にいい加減な記事を書いていた事実が明らかになりました。

 

 また、「SEX地獄」の根拠について聞かれると、「自分の意思とは無関係に結婚相手が決められることがSEX地獄だと思った」などと、まったく「SEX」地獄とは関係の無い話を持ち出し、この点についても裏付を欠いたものであった事実を明らかにしました。

 

 なお、櫻井教授に対する反対尋問の際、記者による盗用の事実の裏付として、文面が酷似する「しんぶん赤旗」記事が証拠提出されましたが(弾劾証拠)、記者自身は、盗用の事実を認めませんでした。

 

 証人尋問後、裁判長は直ちに結審することを当事者双方に提案しましたが、被告側の要請により、次回期日に最終準備書面を提出して結審することとなりました。最終弁論は11月7日(水)午前10時から415号法廷で行われます。

 

 

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