文鮮明師の逝去に関して、英国ロンドン大学経済学部宗教社会学の名誉教授・アイリーン・バーカー女史がCNNのブログに、「私の見解:一時代の終焉を画す文師の死」と題する特別寄稿が掲載されました。
<以下、要約>
文鮮明師が92歳で逝去したことで一時代が終焉したと見なすことができる。
文師は、1970~80年代の米国カリフォルニア全域から米西部全域へと広まった運動の波を巻き起こしたカリスマ的指導者の最後の生存者であった。その他のカリスマ的指導者の運動の例としては、ロン・ハバードのサイエントロジー、デイヴィッド・バーグの「神の子たち」、それにプラブフパダのハレクリシュナ運動などがある。(中略)
文師は合同結婚式や非難告発されてきた洗脳(マインドコントロール)、政治的陰謀及び巨万の富といった全てのことで記憶されているようだが、しかし一方で彼は当代の新宗教が奉じた中でも間違いなく最も包括的かつ革新的な神学を創り出した人物としても記憶されるべきである。(中略)
その基本的な信仰について記載されている「原理講論」の中には、人類の堕落がエデンの園の中でいつ、どのように起きたのか、アダムとエバが結婚適齢期になるまで世話する役割を任せられていた天使長ルーシェルがエバを霊的及び性的関係へと誘惑したことが記述されている。
文師によると、エバはその後でアダムと性的関係を持ち、この(神中心ではなく)ルーシェルを中心とした結縁の結果、彼らの子女たちは「堕落性」、統一原理で言う原罪に染まってしまったという。
「原理講論」では、人類歴史全体が地上天国を復帰する為の神の試みとして解釈されている。イエスは本来は結婚すべきであったが、それが可能になる前に殺害されてしまった。文師は1960年に彼の2番目(または3番目)の妻と結婚することによって地上天国復帰の為の必要な基台を築いたのであり、合同結婚式はその参加者の血統を浄化する役割を果たしているのである。
文師の運動はそれが1954年に創設されてから相当な変化を遂げてきた。
今ではもはや大部分のメンバーが共同生活をしなくなり、各自が独立的に働き生活しながら、可能であれば自分の収入の10%を十一条として統一運動に捧げている。今や二世たちが急成長を遂げており、二世たちがかなりの範囲で運動の運営に関与している。