後藤徹氏の本人尋問が行われる

2013年3月12日

 3月11日(月)、東京・霞が関の東京地方裁判所で、「全国 拉致監禁・強制改宗被害者の会」の後藤徹代表が、自身に対する拉致監禁・棄教強要に関与した親族や新津福音キリスト教会の松永堡智(やすとも)牧師、職業的改宗活動家の宮村峻(たかし)氏などを相手取って起こした民事裁判の第13回口頭弁論、原告・後藤徹氏に対する本人尋問が行われました。

 

 午前10時から午後5時まで行われる本人尋問を傍聴するため、52席の傍聴席に対して、約130名の傍聴希望者が列を作りました。

 

 後藤徹氏に対する主尋問では、後藤氏を教会に導いた兄が突然失踪し、教会を脱会した経緯や、後藤氏が二度にわたって親族らに拉致監禁された体験が詳述されました。

 

 一度目の監禁下で後藤氏が「偽装脱会」をしていた時、両親や兄によって「生活全般にわたって、(後藤氏を)視野から外さない」ような監視状態におかれたことや、二度目に拉致される場面では、車や人員、監禁用のマンションが事前に手配されるなど、後藤氏自身、「抵抗しても無駄だ」と思わされる程の用意周到な計画がなされていたことが明らかにされました。

 

 後藤氏が監禁されたマンションに自らの自由意志で留まっていたという被告側の主張に対しては、「そんなことは絶対にあり得ません!」と断固否定し、監禁された最初の2年間は、「偽装脱会」で「(監禁という)犯罪的な行いをする彼ら(親族や脱会説得者ら)に調子を合わせなければならない“極度の緊張と苦しみ”」があったことなどを供述しました。

 

 監禁中に脱会説得に訪れた宮村氏らの後藤氏に対する一方的な誹謗中傷、罵詈雑言には、「(一日の終わりに)本当に疲労困ぱいになり、明日も(このような脱会説得が)続くと思うと死にたい気持ちになった」と当時の苦渋をにじませ、「こんな地獄のような所に一秒たりとも居たいとは思わなかった」と憤りを露わにしました。

 

 後藤氏は監禁下のマンションから脱出を試みて、家族から羽交い絞めにされ、体中がアザだらけになったほか、その時に骨折した右手薬指が現在も変形したままであったり、監禁下でインフルエンザになっても病院に行くことを許されなかった事実を訴えました。また、後藤氏が監禁に抗議して行った3回のハンガーストライキで、断食明けに兄嫁から、十分な食事を与えないという食事制裁を受けたことに対して、「体力的に最も辛い時期だった」と供述。生きるために台所の生ゴミを漁って、飢えをしのいだ体験なども語られました。

 

 主尋問の最後に後藤氏は、「(拉致監禁によって)集団で誹謗中傷を受け、本当に苦痛を受けました。人間の尊厳を否定し尽くされ、人生の貴重な時間を奪われました。(拉致監禁に関与した親族や宮村氏らを)絶対に許すことは出来ません」と訴えました。

 

 午後の反対尋問では、後藤氏が監禁現場に12年5か月も留まったのは、親族を伝道する「氏族メシヤ活動」だという被告側の主張に対して、「全く違います」と断言。被告側の主張は自分たちの拉致監禁を正当化するための「苦肉の策として無理矢理こじつけた」ものに過ぎないと反論しました。本件の核心である「拉致監禁」が行われたかどうかという争点に関しては、後藤氏の主張を覆すような尋問とはなりませんでした。

 

 次回は、4月8日(月)午前10時から午後5時まで803号法廷で、原告側と被告側からそれぞれ1名づつ証人が出廷し、尋問が行われます。なお、次回法廷での傍聴は抽選になる予定ですので、詳しくは東京地裁の傍聴券交付情報をご確認ください(通常は、開廷時間20分前までに東京地裁玄関前の指定場所で抽選券が配布され、その場で抽選が行われます)。

 

 

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