福岡高裁が佐賀大学に賠償命令、女子学生に対する信仰の自由・名誉感情の侵害と判断

2015年4月20日

 統一教会信者である佐賀大学の元女子学生Aさん(当時22才)とその両親が、信仰について侮辱され、棄教を迫られたとして、同大学(佛淵孝夫学長)と同大学の森善宣准教授(当時53歳)に対し損害賠償440万円を求めた民事訴訟の控訴審判決が4月20日、福岡高裁でありました。大工強裁判長は、信仰の自由を侵害する不法行為があったとして、同大学に対して合計8万8千円の損害賠償を命じる判決を下しました。一審の佐賀地裁判決を踏襲した形です。

 

 福岡高裁は、国立大学法人における教育活動は「公権力の行使」に該当するとして、本件は「国家賠償法」が適用されると認定。その上で、森准教授のAさんに対する行為が「不法行為」に該当するとしても、法的責任は佐賀大学のみが負うと判断しました。また、大学側が主張した統一教会やその信者が起こしたとする社会問題については、それによってAさんらが「名誉感情を侵害されたことを減殺することはない」として、その主張を退けました。

 

 今回の判決について、Aさんは「佐賀大学の違法な人権侵害について高等裁判所が認めてくれたことは良かったと思います。今後、大学において信教の自由に対する侵害がなくなることを祈っています」とコメント。また、Aさんの両親は「佐賀地裁の判決後も佐賀大学ではいまだにCARP(原理研究会)を名指しした批判ビラが掲示されていると聞いています。高裁の判決を機にこのようなことは一切改めていただきたいと考えています。上告するかしないかについては、代理人と相談して決めたい」と述べています。

 

 2012年2月、Aさんは、担当教員であった森准教授に呼び出され、研究室に行ったところ、森准教授から信仰について軽蔑・侮辱する発言を繰り返され、当会やAさんが加入しているCARPからの脱会を執拗に迫られました。さらに森准教授は、両親の信仰にも言及し、統一教会の合同結婚式は「犬猫の結婚」であり、Aさんらの家族の生活は「犬猫の暮らし」などと侮蔑しました。

 

 これを受け、AさんとAさんの両親は2012年5月、信仰の自由を侵害され、名誉感情を侵害されたとして、森准教授及び佐賀大学に対して損害賠償を求める訴えを佐賀地裁に提起。同地裁は14年4月、同大学に対し、Aさんには4万4千円、Aさんの両親には、それぞれ2万2千円の合計8万8千円の支払いを命じる判決を下していました。

 

判決後、福岡市内での記者会見

 今回の判決を受け、鴨野守・統一教会広報局長は「統一教会に対する偏見を是正する判決として評価したい。しかし、十分に統一教会の信徒の信仰が守られているとは言えない状況にあることは間違いないので、引き続き大学当局はじめ関係機関に改善を求めていきます」とのコメントを発表。

 

 また、中本和誉・CARP広報渉外担当は「今年の春も、中央大学、名古屋大学、長崎大学など多数の大学においてCARPと統一教会を批判するビラが配布され、オリエンテーションが行われたことはまことに残念です。このような事態が一刻も早く改められるよう、強く要請します」と述べています。

 

 福岡高裁判決に関するより詳細な情報は、広報局サイトをご覧ください。

 

 

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