5月24日に発売された週刊ポスト誌で、「韓国農民にあてがわれた統一教会・合同結婚式 日本人妻の『SEX地獄』」の記事が掲載された事に対し、広報局は5月25日に抗議及び謝罪・訂正要求を求める文書を出しました。これに対して6月1日に「週刊ポスト」から回答がありましたが、全く誠意ある回答ではありませんでした。
広報局は6月2日に再度、謝罪と訂正を要求し、発行元である小学館を訪問。弥久保薫副編集長と同記事を書いた浜田盛太郎氏に対して厳重抗議を行いました。
以下、6月1日の「週刊ポスト」からの回答文とそれに対する広報局の再抗議文を掲載します。
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回答書
2010年6月1日
宗教法人 世界基督教統一神霊協会
広報部長 太田朝久 殿
株式会社 小学館『週刊ポスト』編集長
飯田昌宏
小誌2010年6年4日号記事「韓国農民にあてがわれた統一教会・合同結婚式 日本人妻の『SEX地獄』に対する貴協会からの書面を拝受しました。
ご指摘いただいた点についての回答は以下の通りです。なお、番号は貴協会の書面の番号に合わせております。
(1)ご指摘の表現は、Aさんの苦痛を示す証言をもとにしたものであり、「民族的な偏見に基づいた」ものでもなく、「冒涜」するような意図もまったくございません。
(2)記事には、『本郷人』に掲載された悩みだけを掲載しているわけではございません。例えば145ページ2段目には、<もちろんすべてが悲惨なわけではない。都市部の歯科医と結ばれ、優雅な生活を送る日本人妻もいる。結婚し子供ができたことで幸せを感じている日本人妻もいるようだ>と記しております。また、記事に掲載した貴協会の回答によっても、貴協会が国際結婚をした夫婦の問題にとりくみ、早急な問題解決が可能になっていることが十分読者に伝わっていると考えます。
(3)編集部には、韓国や韓国農民を蔑む感情は一切ございません。
(4)記事では、取材した研究者の研究結果に基づく推定数を入れるとともに、<大部分の婦人はソウル市、仁川市などの首都圏に住んでいます。残りの「道」に、それぞれ平均500人づつが住んでいますが、それらの「道」でも、大半の人は都市部で暮らしています>という貴協会の回答を掲載しております。
なお、貴協会からご指摘いただいた点については、今後の記事作成において留意させていただく所存です。
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再抗議及び謝罪・訂正の再要求
2010年6月2日
株式会社 小学館「週刊ポスト」
編集長 飯田 昌 宏 殿
発行人 秋山 修一郎 殿
〒150-0046
東京都渋谷区松濤1-1-2
宗教法人世界基督教統一神霊協会
広報部長 太田朝久
2010年6月4日号「週刊ポスト」掲載の「韓国農民にあてがわれた統一教会・合同結婚式日本人妻の『SEX地獄』」の記事に対し、5月25日付け抗議文を出し、謝罪と訂正を求めました。
6月1日付けの貴誌「回答書」は、名誉を毀損された当法人の信者への誠意ある回答とはなっておりません。
以下、再度、抗議するとともに、速やかなる謝罪と訂正を要求します。
(1)『SEX地獄』との表現は、名誉毀損である
142~143ページにある「日本人妻の『SEX地獄』」という大見出しの根拠を尋ねた当方の抗議文に対して、貴誌は、Aさんのケースに基づいたものと返答がありました。そこでお聞きします。
正式に結婚されたAさんの「夫婦生活」について貴誌は記事文中で、「夫にとっては待ちに待った花嫁であり、無理のないことなのかもしれない」と述べ、これを許容するコメントでまとめています。それがなぜ、「SEX地獄」という見出しになるのでしょうか。今一度、その根拠を示して下さい。
また、Aさん一人だけのケースで、なぜ韓国に嫁いだ日本人妻7000人すべてが「SEX地獄」に苦しんでいるかのような見出しを付けたのか、その根拠も示して下さい。繰り返しますが、「SEX地獄」という見出しは、純潔と貞操の重要性を説く当宗教法人の名誉を著しく毀損し、かつ既にそのような結婚生活を営んでいる日本人女性信者らの「韓国人との結婚生活」に偏見と侮蔑感情を与えるものであり、統一教会信者の結婚を冒涜する表現です。
6月1日の回答書には、そのようなことに対しての反省や謝罪が全く現れていません。
再度、強く抗議するとともに、謝罪と訂正を求めます。
(2)「韓国農民にあてがわれた」との表現は、差別発言である
貴編集部は回答の中で、「韓国や韓国農民を蔑む感情は一切ございません」と弁明していますが、到底、納得できるものではありません。表紙には、「統一教会の日本人花嫁数千人が韓国農民に宛(あてが)われた」と記し、記事の見出しで「韓国農民にあてがわれた統一教会・合同結婚式日本人妻の『SEX地獄』」と決めつけ、本文においても、「マッチング」を「結婚相手として宛(あてが)われる」と説明しています。
韓国農村部に日本人女性を「宛う」との表現は、韓国人と結婚した女性をまるで「もの」を「宛う」ように見下すと同時に、韓国農民に対する侮蔑・差別発言です。貴誌は、既にそのような差別発言を全国に流布させて、特にそれら日本人信者らに対して精神的な苦痛を与えました。それが6月1日付け回答書には全く謝罪も反省もなされていません。
このような侮蔑・差別表現を用いる貴編集部の開き直りと人権感覚は看過できません。再度、強く抗議し、謝罪と訂正を求めます。
(3)「日本人妻の多くが、地方の貧しい農村で暮している」は事実誤認
当法人は、貴誌の取材に対し「『嫁ぐ先は、嫁不足に悩む韓国の農村部が大半を占める』は事実に反する」と回答し、その根拠も示しました。
それにも関わらず、貴誌は「日本人妻は約7000人。しかも、多くの妻がソウルや釜山といった都市部ではなく、地方の貧しい農村で暮らしているのだ――」(143ページ)と断定。
その根拠として「中西(尋子・関西学院大学非常勤講師)氏は、結婚によって韓国に渡った7000人の日本人妻のうち、約60%にあたる4000人ほどが地方に暮らしていると見ている」という中西氏のコメントを紹介。
しかし、中西氏は韓国全土に住む7000人の日本人女性の所在地に関する情報を得るために当法人に対して取材申し込みすらしておらず、正確な情報を持ち得ていません。しかし、貴誌は根拠のない中西氏のコメントを利用し、地方の『貧しい農村』では、日本人妻の大多数の信者がSEX地獄、貧困、生活苦、暴力に苦しんでいるという構図の根拠としています。これは貴誌による事実に反する偏見と悪イメージのねつ造でなくて、何でしょうか。それについて、既に読者にそのねつ造による当法人の、特に韓国にいる日本人女性信者に対して精神的な損害を与えたにも関わらず、6月1日付け回答書にはその点についての謝罪がなされていません。
このような明白な事実誤認と、明らかな偏見と侮蔑・差別意識に基づいた記事は決して認められません。再度、抗議するとともに、謝罪と訂正を求めます。
なお、当該記事は韓国に嫁いだ日本人女性に対し、重大な誤解と偏見を与えています。この記事の影響から、「精神的苦痛を受けた」との声が、韓国に嫁いだ日本人女性から当法人本部に届いています。
特に、当法人信者に対し、拉致監禁による脱会強要を行ってきた一部のキリスト教牧師らによって「監禁」の被害を受けた女性信者からは、この記事によって拉致監禁の危険性が加重されたという沈痛な訴えがあります。
当法人は貴誌に対し、再度、強く抗議するとともに、誠意ある謝罪および訂正を要求します。本状受領後、1週間以内に文書で回答するよう求めます。
─ 以上 ─