世界基督教統一神霊協会はこのほど、統一教会の創始者である文鮮明師と当法人ならびに信者を誹謗中傷する書籍を出版した宗教法人幸福の科学の大川隆法総裁に対し、抗議文を送付しました。
大川総裁は著書『宗教決断の時代―目からウロコの宗教選び①』(幸福の科学出版、2010年9月30日刊)の中で、文師を「クモ」と同一視し、当法人を「間違った宗教」と断じるなど、文師の名誉を著しく傷つけ、当法人ならびに信者を強く侮辱しています。
また、このような書籍を出版し、排他的な姿勢を世に明らかにすることで、大川総裁の常識が疑われるだけではなく、日本国民の中の「宗教嫌い」がますます増えることが憂慮されます。
そこで、当法人は大川総裁に抗議文を送付し、速やかなる謝罪と訂正、同書の回収を要求しました。以下に抗議文を掲載します。
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抗議及び謝罪・訂正要求
平成22年11月18日
幸福の科学グループ
創始者兼総裁 大川隆法殿
〒150-0046
東京都渋谷区松濤1-1-2
宗教法人世界基督教統一神霊協会
広報部長 太田朝久
『宗教決断の時代―目からウロコの宗教選び①』(幸福の科学出版、2010年9月30日刊)の「第1章 統一協会教祖の正体―文鮮明守護霊の霊言」の中で、著者の大川隆法総裁は、統一教会の創始者である文鮮明師を「クモ」と同一視し、文師の名誉を著しく傷つけるばかりでなく、当法人ならびに信者を強く侮辱しています。当法人との「差別化」を図るという目的を果たすことに性急となるあまり、荒唐無稽な「文鮮明守護霊の霊言」を用いて文師と当法人ならびに信者を誹謗中傷する手法には、強い怒りを禁じ得ません。以下、抗議するとともに、速やかなる謝罪と訂正、同書の回収を要求します。
1. 文師を「クモ」と同一視し、名誉を棄損
同書194ページに以下の記述があります。
大川隆法 文鮮明は、まだ生きているのだろうし、どんな病気をしているのかは知らないけれども、九十歳ぐらいなので、いずれは、あの世に行くでしょう。そうすると、どうなるのか。クモがもう一匹、増えるのか、合体して大きくなるのか、ちょっと分かりませんね。
司会 巨大化するのかもしれませんが。
大川隆法 そうですね。
前後の記述を含めて判断すると、大川総裁は、文師を「地獄」に住む「クモ」と同一視し、それを自らの言葉で語っています。他教団の創始者を、一般的に忌み嫌われる「クモ」と呼んで恥じない神経にはあきれるばかりですが、これは文師の名誉を著しく傷つけるものであり、謝罪と訂正を強く求めます。
2.文師を「クモ」と同一視し、当法人・信者を侮辱
文師を「クモ」と同一視したうえで、大川総裁は「ただ、統一協会の実態は明らかになったわけです」(195ページ)、「宗教嫌いの人が多いので、ある程度、間違った宗教の“お掃除”が要るのでしょうか」(196ページ)などと述べています。
つまり、当法人は「クモ」を教祖として信仰する「間違った宗教」と断じるものであり、これは当法人ならびに信者を著しく侮辱するものです。
大川総裁は、当法人に対する直接の取材・調査等を一切行うことなく、上記のような独善的な判断を下し、それを書籍として公開することで当法人と信者に被害を与えています。こうした姿勢はあまりにも傲慢かつ無責任であり、社会的常識を甚だしく逸脱するものです。
以上の理由により、著者である大川総裁に謝罪と訂正を強く求めます。
3.荒唐無稽な「文鮮明守護霊の霊言」で誹謗中傷
同書は、「文鮮明守護霊の霊言」なるものを真偽の確認をすることなく掲載していますが、その内容は、当法人の教義と全く相容れない主張および事実無根の発言に溢れており、結果として、文師と当法人ならびに信者を誹謗中傷しています。
いくつか例を挙げると、「文鮮明守護霊」なるものは次のように語ったとされます。
「私のところの信者だったら、君みたいな者は即座に殺しに来るよ」(43ページ)
「半年間ぐらいの長い長いビデオセミナーに漬け込まないかぎり・・・・・・」(45ページ)
(国際合同結婚式の組み合わせについて)「まあ、あんなのは、コンピュータで適当に割り振っているんだよ」(87ページ)
当法人ならびに信者が、上記のような行為を行った事実はありませんし、今後も行うことはあり得ず、全くの事実無根です。
また、「文鮮明守護霊」なるものは、次のようにも語ったとされます。
「イエスは肉体で復活してきたよ」(71ページ)
「動物も『神の子』なんだよ」(95ページ)
「わしは神だからね」(171ページ)
これらの主張は、当法人の教義と根本的に異なるものであり、「文鮮明守護霊」なるものが、当法人の教義の重要部分について全く無知であることを示しています。
以上を総合すると、荒唐無稽な「文鮮明守護霊」に文師の代弁をさせ、それが当該教団の教義と矛盾するかどうかさえ事実確認しないで公表した行為は、極めて無責任かつ悪質です。当法人への取材および事実調査をしない結果、文師と当法人ならびに信者を貶め、誹謗中傷するものとなっています。
以上の理由により、同書の著者である大川総裁に謝罪と訂正を強く求めます。
4.最後に
他の宗教・教団を貶め、自らのイメージアップを図るという発想は、あまりにも品格を欠くものです。このような書籍を出版し、排他的な姿勢を世に明らかにすることで、大川総裁ならびに貴グループの常識が疑われるだけではなく、日本国民の中の「宗教嫌い」を益々増やす結果となることを憂慮しています。
いたずらに他の宗教・教団との違いを探し出して攻撃し、足を引っ張り合おうとする姿勢ではなく、それぞれの共通点を見いだし、人類の幸福と世界平和のために手を取り合って努力していくのが、宗教者としてのあるべき姿であると当法人は考えます。
大川総裁が、そのような建設的な選択をすることを心から祈るばかりです。
以上のように、当法人は大川総裁に対し強く抗議するとともに、謝罪と訂正、ならびに同書の回収を要求します。
本状受領後、1週間以内に文書で回答するよう求めます。
以上