6月8日(水)、13時半から東京地方裁判所において、ストーカー規制法違反容疑で起訴された宇佐美隆氏(42)の第三回公判が行われました。
今年の2月7日、警視庁公安部は、所在不明の婚約者を捜していた埼玉県越谷市、統一教会信者の宇佐美氏をストーカー規制法違反容疑で逮捕しました。逮捕容疑は、『統一教会を脱会した女性(36)に対して昨年6月から11月、5回にわたって東京都内の路上で女性を待ち伏せしたり、つきまとったりした』というものです。宇佐美氏は逮捕後、警察や検察に対して、「ストーカー行為ではない」と一貫して無実を訴えてきましたが、残念ながら東京地検は2月28日、宇佐美氏を起訴しました。
今回も40数席の傍聴席に対し、150名近くが列を作りました。
今回の公判では、被害を訴えた女性に対する反対尋問が行われ、宇佐美氏の弁護側は女性に対し、様々な証拠資料を提示しながら、当時の状況や女性自身の気持ちなどについて尋問を行いました。
この反対尋問で一つの大きな争点となったのが、女性から宇佐美氏への婚約破棄についての意思表示でした。
女性は、2008年1月1日から家族と話し合いを行った上、同年12月に統一教会本部に脱会と婚約破棄を伝える通知文を送付したと供述しましたが、宇佐美氏に直接意思表示を行わなかった理由について問われると、一方的な「事務処理で(自分のことを)あきらめて欲しかった」と供述。
事実上の婚姻関係にあった宇佐美氏の心配をよそに、統一教会に対する通知と宇佐見氏の実家への荷物の送付によって、「自らの意思はちゃんと伝えた」と度々供述した女性でしたが、「拉致監禁」による「偽装脱会」を確信していた宇佐美氏にとっては、このような形での一方的な婚約破棄など、到底納得できるものではなかったことでしょう。
もう一つの大きな争点である「拉致監禁」について、女性は家族との話し合いの当初から宮村峻氏の関与があった事実を認めましたが、「拉致監禁」の事実は頑なに否定し続けました。そして、宇佐美氏との連絡を一切取らずに家族との話し合いに応じた理由については、「話し合いをしようという気持ちを揺さぶられたくなかった」などと供述しました。
しかし、事実上の婚姻関係にあった宇佐美氏には何も告げず、一度も連絡をすることなく、統一教会に脱会と婚約破棄を通知する前の約9か月間、4~5か所のマンションを移動しながら行われたという「家族での話し合い」が果たして女性の真意に基づくものだったのか、重大な疑問が残ります。なお、今現在も宮村氏から女性への「サポート」は続いているとのことです。
およそ2時間半に及ぶ反対尋問を終え、次回、検察側の証人尋問には、被害を訴えた女性の母親と宮村氏、他1名が出頭予定となっています。
次回期日は、6月24日(金)13:30より同じ531号法廷で行われます。なお当日の傍聴は今回同様、抽選になる可能性がありますので、東京地方裁判所の裁判所傍聴券交付情報をご確認下さい。
この事件の真相と教団の見解については、当サイトに掲載の『宇佐美隆さんの事件に関する見解』をご覧下さい。